育毛剤と薄毛治療薬

育毛剤と薄毛治療薬

様々な育毛剤が市販されているが、科学的な臨床実験により実用にかなう発毛作用が確認されている薬品は以下の2種類のみである。この2種類は育毛というよりは薄毛の治療薬に分類されるものである。男性型脱毛症診療ガイドライン(2010 年版)でも推奨度A(行うよう強く勧められる:少なくとも1 つの有効性を示すレベルTもしくは良質のレベルUのエビデンスがあること)になっている。

 

* ミノキシジル(商品名ロゲイン、リアップ)

 

頭皮にふりかける外用薬である。もともとは高血圧の治療薬として開発された薬で、血管拡張作用によって発毛を促すといわれているが、メカニズムには不明な点が多い。頭頂部の毛を増やす効果があり、前頭部や生え際への効果は薄い。最近は内服薬のミノキシジルも登場している。その場合、頭髪だけでなく、全身の毛を増やす作用がある。

 

* フィナステリド(商品名プロペシア)(男性のみ)

 

内服薬である。頭皮における男性ホルモンの作用を抑制し、脱毛を防止するとともに発毛を促す。
アメリカの製薬会社メルク社が開発した。日本でも、メルク社の100%子会社である万有製薬(現・MSD)が2005年10月11日に厚生労働省の承認を受け、自由診療(保険外診療)として医師の処方箋に基づいて使用できるようになった。臨床試験では、3年で98%(以上)の人に対して脱毛を食い止める効果があったという。ただし女性に関してはおこなわないよう日本皮膚科学会は注意をしている。

 

これらの薬品は薬品付属の文書、および担当医などの診断による助言を守れば、とくに早期の男性型脱毛症においては効果が認められている。 一般に育毛剤の効果を判断するには最低半年程度、同じ薬剤を適切な状態で使い続けることが必要である。 この二種類の薬剤が世界的な販売実績と評判を得た事で、さらに効果の高い発毛剤と認められる薬剤が世界的に研究されるようになった。